“ソウルから車で南へ5時間ほどの都市、光州。去る17日に実施された大学修学能力試験(日本で言う大学入試センター試験、以下、修能)において、携帯電話によるカンニングが11月20日に発覚した。光州だけで約180人余りが摘発されたこの事件は、その後全国に広まり、ソウルやほかの都市でも多くの学生の関与が確認された。この事件が韓国中に大きな衝撃を与えている。
手口が緻密で組織だっていたということも、この事件が衝撃的な理由の1つだ。首謀者のほかに「選手」と呼ばれる成績優秀者、お金を出して解答を教えてもらう不正受験者、学校の外で選手と不正受験者を中継する「アシスタント」がおり、選手が試験会場から送った正解を、アシスタントが整理して不正受験者たちへ送るという仕組みになっていた。
携帯電話は素早く操作でき、かつ隠しやすい小型のストレートタイプが主に利用された。事件に加わった学生たちは、カンニングのため2、3カ月も前から準備や練習を続けてきたという。
警察は、修能の日にやり取りされた携帯キャリア3社のSMS(ショートメール)2万件余りを調査し、関与者がどれほどいるのか、全容の解明を急いでいる。12月14日には成績が発表されるが、不正者については、試験を無効にしたり成績表を廃棄処分するなどの措置が取られる予定だ。
この事件を受けて携帯3キャリアは、これまでサーバに保存していたSMSを、来年1月からは一切保存しない方針を表明した。今回の不正で、警察がSMSの内容を調査していることが知れ、プライバシー侵害の議論が噴出してしまったためである。
これまではKTFがSMS全文を30日間、SK TelecomがSMSの一部(6バイト、ハングル3文字、英数字6文字)を1週間、LG TelecomがSMSセンターに48時間保存の後バックアップセンターに移し、ストレージ容量によって5~7日間保存していたという。
これに対し12月3日、韓国最大の野党、ハンナラ党修能不正対策特別委員会のウォン会長は、「それならば来年からは修能の日にやり取りされたすべてのメッセージの保存を義務化するなど、対策を用意しなければ」と述べると、これを受けたのか翌々日、携帯キャリア3社の意見は一転。「6バイト、ハングル3文字、英数字6字のデータを1週間保存する」(KTF)と発表した。SK Telecomはいまだ明確な結論を出せずにおり、LG Telecomも、検討中ではあるもののKTFと歩調をそろえる方向だ。
今回の不正に加担し拘束中のメンバーの中には、昨年も同様の手口を使った者も見つかったことから、カンニングが代々続いてきた可能性が高まった。さらに1科目25万ウォン(約2万5000円)という、学生には決して安くない金額が動いていることから、父母やブローカーの関与も疑われている。
さらに、替え玉受験やPCから複数へ一度に解答を送信する「ウェブ・トゥ・フォン」方式カンニングまで発覚するなど、拡大する一方のこの事件に、警察も教育関係者も頭を抱えている。
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